7月4日

午前 大阪の成り立ち

午前は「大阪をおもしろくする会」代表で、大阪歴史案内人の沖本然生先生による講義です。おもしろ大阪学『知っているようで知らなかった「宗教都市大阪」』というテーマです。

大阪は寺が多い?

大阪は商人の町で寺は京都では?

と思っていましたが実は違ったのですね。

現在の大阪の街は信長と激しく戦った石山本願寺の寺内町から発展したとされています。

下寺町を含む南北1400m、東西400mのエリアには約80のお寺が集中しています。これは秀吉が大阪城を築いた時に、城の南側を大阪各地の寺を移転させて防壁代わりにさせたとの説があるようです。

寺密度は全国一。しかも寺院の数は全国二位。

一方で神社は少ないです。これは住吉・天満宮等の巨大神社があったのと、親鸞が教義に神社参拝をしないように定めたことによるものだったようです。なんせ、浄土真宗の本願寺はすべて大阪にあったので影響大です。

さらに大阪には日本最古の「四天王寺」があります。聖徳太子が建てた法隆寺が日本最古と思っていましたが、じつは四天王寺が最古の寺なのです。

しかも、四天王寺は何度も消失や倒壊しましたが、創建当時と同じ場所・同じ配置・同じ規模で復元され、その配置は一度も変わっていないのです。これはすごいことです。

さらにさらに四天王寺は謎だらけ

四天王寺に関わって、世界最古の会社まで大阪にはあったのです。

四天王寺になぜ野沢菜?と思っていましたが、天王寺蕪が長野県野沢村に持ち帰られたのです。「食の大阪」「天下の台所」はここにもあったのですね。

お次は住吉大社。ここはすむ(住む)によし(吉)から来たと紹介されました。

全国に約2300社ある住吉神社の総本社です。

住吉大社にも謎が。まずは兎。住吉大社の創建日が神功皇后摂政11年(211)、辛卯年卯月の卯日だったと。

これは鯨幕、黒は古代より格式の高い色とされており、慶事にも使われてきました。皇室では納采の儀や結婚式などの慶事に使われています。弔事の幕ではないとは知りませんでした。

そして巨大な石灯籠。これは広告塔だったとはびっくり。さらに頼山陽など一流人に揮亳(きごう)させているとは、やはり大阪人はスケールが違います。

最後は天満の天神さん(大阪天満宮)。

菅原道真公ゆかりの神社ですが、やはり何度も火災に遭いました。今の本殿は1843年に再建されたもので、大阪大空襲でも焼けなかったそうです。

大阪天満宮の酉は「鶏」ではなく「鳳凰」。人に自慢できますよ。

そしてなにより有名なのが天神祭。

951年に鉾流行事が始まったと伝えられているので、1千年以上も続く神事です。

7月24日に鉾流神事、25日は船渡御、

25日は花火も上がります。

講義の終わりには、ヒマラヤアサガオの紹介と、種のプレゼントがありました。沖本先生、知らなかった大阪の歴史を教えていただきありがとうございました。

午後 脳梗塞について

午後は、野崎徳州会病院 脳神経外科の岩本文徳医師による

「脳卒中 脳梗塞を中心にーその治療と予防ー」というテーマでの講演です。

とても関心の高いテーマです。

まず脳とは。体重の2%しかないのに、ブドウ糖は全身の4分の1を必要としている。

さらに様々な働きを担う大事な器官です。

どの部分が欠けても大変。

アルツハイマーは頭頂葉と側頭葉の萎縮により起こります。

日本人は塩分摂取がおおく、脳卒中になりやすい。欧米人は油分摂取が多くコレステロールがたまりやすいので、心臓系の疾患が多いようです。

死因は1位ガン、2位心臓疾患、3位肺疾患、4位脳卒中だそうです。

ただし、脳は元には戻らない。改善はあっても後遺症が残るため、寝たきりは1位です。

アテローム血栓は動脈硬化による

ラクナ梗塞は高血圧が原因

心原性脳梗塞は不整脈が主な原因、しかも死に至る可能性が最も高い

TIAとは一過性脳虚血発作といい、脳卒中の前触れ発作で、専門医療機関での迅速かつ適切な診断・治療が必要な疾患

血管が詰まれば脳梗塞

血管が破れれば脳出血

「厳しい冬が終わり、春になると脳梗塞が増える」と言われますが、あまり季節には関係ないようです。

脳梗塞・脳出血・TIAともに男女の発症数に差はあまりありませんが、くも膜下出血だけは女性に多いようです。

脳卒中の主な症状です。少しでも心当たりがあればともかくすぐに受診を!

これは救急隊員が使う指標だそうです。

要チェック

もう一度おさらいを

一方治療法はどんどん進歩しています。すごいですね。

野崎徳州会病院の脳梗塞への対応です。

脳卒中にならないためには、ともかく予防あるのみ。ゼロ次予防は若い頃からの予防なので、時間は戻せません。もう手遅れ。

それなら1次予防でがんばりましょう。

いつまでも元気で府民カレッジ大東・学研都市校に通い続けたいですね。

岩本先生、本当にありがとうございました。

泉川理事長との懇談会

午後の講義後に、泉川理事長、吉田副理事長、大﨏副理事長がお見えになり、少しの時間でしたが懇談会を持つことができました。

 

 

 

 

泉川理事長からは、「人生100年時代といわれますが、これからも長期間府民カレッジを楽しんでもらえるように、様々な取組を考えています。」と今後のヴィジョンについてお話がありました。その後、大東・学研都市校生の声(満足・いいね)を聞いていただきました。最後は集合写真を笑顔で撮りました。「3愛だより」に載るのでしょうか。